001/01
なくしたものを、取り戻したいんだ

30代前半、男性

「生きている意味がわからない」

いつも見る、いろんな人が悩みを書いているサイトを見ていた。
いつものように、いろんな人が悩み事を書いていた。
今日は、この30歳あたりのおっちゃんの投稿を見つけた。
私は15歳、30歳の人をおっちゃんって呼んでもいいよね?

私はなんだかわからないけど、このサイトをいつからかほぼ毎日見ている。
投稿を見て、気になったり、何か言いたいなっと思ったらコメントを残していっている。
だいたい当たり障りのないコメントばかりを書いている。
この日はとりあえず、何も誰にもコメントをせずに部屋の隅にある淡いピンク色のベットで眠りについた。


朝6時36分、起きて学校に行く準備をして慌ただしく家を飛び出した。
駅まで走る。私の乗る電車の発車時刻は42分。
本当は35分に出る予定だったのだが、案の定1分遅れ。

なんとか電車に間に合った。
奇跡的に乗った車両の優先席ではない席が空いていたのですかさず座った。

スマホを開いた。
いつもの日課、いろんな人が悩みを書いているサイトを開いた。

30代前半、男性

「生きている意味がわからない。 なぜこう思うのか考えてみた。 俺は学生時代けっこう楽しかったはずなんです。
大学卒業するあたりから、なんだか楽しいと思えなくなってきたんんですよ人生が。
そこからなんとか生きて30代になったけど仕事ずーっとしてきて、今のところ楽しいと思えることがない。
恋愛とかも学生時代はしたんだけど、会社にはいってから全く。
なんだろうな、このまま生きていてもいいけど生きて何になるのかわからない。
このまま仕事してコテって死んでいいのかもしれないけど、毎日が無意味だから生きてたくない。
なんだろうな、疲れたのかな、とにかくなんか心の奥が真っ暗だったので書いた。気分が落ち込んでいるので婚活頑張れとか、転職しろよとかいらないので。書きたかっただけ、スルーしてくれ。」

昨日の人だろうか、生きている意味がわからないから短い文章が続いていた。

電車に揺られながら私は電車に乗っている人を眺めた。





title by エソラゴト